虫歯などの原因によって歯が大きく欠損したり、抜かなければならなくなったりする場合があります。そのようにして歯が失われた部分を放っておくと、そこに噛み合っていた歯や両隣の歯が傾く・でてくるなどの影響が出てきます。また、歯茎にも負担がかかるため歯周病などのリスクも高くなり、更に多くの歯を失うことになりかねません。
こうしたリスクを防ぐために、損なわれてしまった機能を補うと同時に外観も回復するのが補綴(ほてつ)治療です。
代表的な補綴治療としては、歯にカバー状の覆いをつける「クラウン」、歯が失われた部分を金属やセラミックでできた人工の歯で橋のように覆う「ブリッジ」、そして「入れ歯」があります。
現在では、金属のバネを使わず素材の弾力で歯茎にフィットさせる快適性にすぐれた入れ歯”ノンクラスプデチャー”や、本物の歯と見分けのつかないセラミックを用いた人工歯など、多様な補綴治療が可能になりました。
当院でも患者さんのご希望に応じたさまざまな治療方法を取り入れております。素材のこと、見た目のこと、費用のことなど、ぜひご相談ください。
健康な状態が保たれていれば、生涯ご自分の歯でものを噛むことも可能です。その歯が何らかの理由で失われてしまい、クラウンやブリッジが必要になるわけですから、歯科医療従事者としては元の歯に劣らない役割と耐久性を持つ人工歯、二度と治療が必要にならない処置をめざさなくてはなりません。
クラウンやブリッジには金属が用いられますが、口の中にあって日常的に使用されるものだけに、高い安全性と耐久性は必須です。10年後、20年後まで考えてこの必須条件を満たそうとすると、やはり秀でているのは貴金属ですが、ご存知のように現在の日本の医療システムでは残念ながら保険治療対象外とされる素材です。
しかし保険治療の範囲に収まることを優先すると、耐久性に劣り、遠からず再治療が必要になる素材であることを知りながら、安価な合金で処置せざるを得なくなってしまいます。
当院では、患者さんのお口の健康をできるだけ長く維持したいという考えから、ご理解をいただける限り”最良の素材”を用いた治療をさせていただきたいと思っています。